中国で仕事をしていると、日本では経験できないようなことを経験します。
今日、ここに書くことも、そのうちの一つです。
住んでいる人の様子
私が総務責任者を担っていた工場には、なんと住んでいる人がいました。
私が赴任した時点ですでに14年も住んでいる人です。
どうやって住んでいるかというと、敷地の端の方にトタンで塀と扉を作り、その奥に住んでました。
外からは中の様子までは良く見えません。
わかっていることは
1.私の工場が設立される前にあった工場の元社員である
2.その会社と退職に関してもめたので、意地になって住み着いた
3.犬を飼っている
4.毎朝、7時頃にトタンの奥から出てきて犬の散歩をしている
5.たまに、女性が出入りしている
この程度です。
かといって、私の工場には直接的な被害はなく、もめている会社が興した裁判の成り行きを見守るしかありませんでした。

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Xデーが来た
そんな中、とうとうその日がやってきました。
裁判でもめている会社が勝訴し、住んでいる人を強制退去させることになりました。
当日、他の社員には秘密ですが、総経理と僕と部下の総務課長だけが強制執行のことを知っていました。
「公安が来ました!」
総務課長からそう言われて、そのトタンがあるエリアへ急行します。
僕もこの時まで知らなかったのですが、裁判の日からこの日まで、トタンの中がかろうじて見えるところに監視カメラが設置されていました。
そして、本人が外出したスキをついて、強制執行が始まります。
壁が壊されます。
すると、畳三畳ぐらいの小屋があり、その中に鶏が密集していました。
どうも、これで生計を立てていたようです。
その奥には、あひるちゃんの姿も見えます。そっちは犬と同様ペットのようです。
家財道具をすべて取り出したあとは保健所がやってきて消毒をしました。
大量の鶏がいましたからね。

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Xデーのあと、そして愛人は?
強制撤去のあと、公安が5名ほど会社の入り口に残ってくれました。
そして夕方になり、男が愛人を連れて戻ってきました。人壁になり、敷地内には入れません。
なんども押し問答をしていましたが、男はあきらめてどこかに行きました。
男はもめている会社からマンションをもらっているため、住むところはあります。
だから、比較的あっさりと退去しました。
が、愛人が引き下がりませんでした。
夕方過ぎ、僕が帰宅しようと入り口に向かうと、その愛人が僕に向かって大声で文句を垂れています。
僕が会社の幹部だということを知っているようです。
一旦引き返し、社用車に乗り込んで、強引に帰宅しました。
しかし、これで終わりではありませんでした。
毎朝、出社するときに、その愛人(もしかしたらすでに捨てられて元愛人だったのかもしれませんが)が、僕に向かってビール瓶を投げてきます。
公安が門の前で立っていてくれるので、ビール瓶を僕に当てることはしません。
足元めがけて投げつけます。
僕を威嚇するのが目的です。
1週間ほどそれが続きましたが、いつしか愛人も来なくなり、それを受けて、公安も退散しました。
愛人からビール瓶を投げつけられたときは、なかなかドキドキした日々でしたね。
中国ならではでした。

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