コロナを乗り越えろ!5年間で固定費を30%削減したコスト削減の考え方

働き方

当初の想定よりも大きいコロナの影響。

様々な企業の売上が激減しています。

収入がない中で生き延びるためには出費を抑えるしかありません。

でも、営業を止めていても、負担を強いる固定費。

こういったときは、思い切ったコスト削減策を実施して、売上が元に戻ったときに、コロナ禍で損をして分を取り戻したいものです。

ここでは、リーマンショックを乗り越えるべく取り組んだコスト削減の手法をまとめます。
コスト削減はキャッシュフロー改善につながりますが、キャッシュフロー改善自体は、別の流れで実施すべきものなので、この投稿では、コスト削減に特化して記載します。

全体の流れ

コストの分類

P/Lを眺める

当たり前ですが、まずはP/Lを眺めてみましょう。
経営者の方でも、売上と利益しか見ていないような人もいます。
ここでは、まず自社のP/Lを見て全体像を把握しましょう。
P/Lの作り方、粒度は会社にとって異なります。
有報に乗せるレベルであれば、かなり粗いP/Lにはなっていますが、まずはそれでもかまいません。
原価・販管費・営業外支出などの大まかが構成を知りましょう。

経費明細をガン見する

さて、P/Lには慣れましたか?

ここからが本番です。

原価・販管費・営業外費用をさらに細かく分類した経費明細などをガン見してください。

一般的に、削減の容易やインパクトを考えると、販管費から始めるのが良いですが、製造業であれば原価も重要です。
製品の一部となる仕入れ材料などであれば、生産自体を止めれば追加費用は発生しませんが、原価に分類されているけれど、生産ゼロでも発生する費用(労務費、倉庫家賃、光熱費など)があるからです。

ただ、次でも書きますが、原価項目は削減する難易度が高いので注意が必要です。

営業外費用は、原則的に恒常的に発生しません。
ですので、後回しにされてもよいかと思います。

費用の性質を分類する

明細が集まれば、次に各費目の性質に注目して、タグをつけていきます。

タグの例
ー 本当の変動費・その他費用
ー 特定部門だけの費用・全部門で発生する費用
ー インパクト大・小
ー 削減難易度

減価償却費は、過去に購入したものに関する費用なので、削減難易度は高になります。設備を捨てるしかありません。

仕入れ材料費の削減も、仕入れ先との価格交渉が必要ですし、歩留まりや利用率の改善なども仕様変更が伴いますので、簡単ではありません。

推移の確認

次に、費用を過去数年分を並べて比較します。

毎年費用が下がっている項目は、すでにコスト削減努力をしてきた項目かもしれません。そういう項目は、努力の割に費用が下がらないかも。
逆に、費用が同じ、もしくは増えている項目は、これまで手付かずだった可能性があり、コスト削減しやすい項目かもしれません。

もちろん、
「生産量が増えたから比例的に増えた。」
「インフレ(日本ではあまりありませんが)で人件費が増えた。」
「大きな設備投資をしたから償却費が増えた」
などの構造的な要因であれば、削減難易度がアップします。

ですので、その増減理由も把握する必要があります。

ターゲットを決める

タグ付けや過去の増減内容の確認が終われば、具体的なターゲットを決めます。

その費用をいつまでにどの程度削減するのか?を決めないといけません。

まずは、会社としてどの程度削減すべきなのかを決めます。

例えば、「コロナ禍で発生した損失を取り返す!」のような目標です。

上図では、2,440の損失に対して、まずは2,300を取り戻し、損失をほぼチャラにする目標です。

実際は、2,300-870の1,430しか改善してないのですが、870+2,440=3,310 など、あまりにも高い目標を立てすぎると、取り組むメンバーが白けてしまいますので、会社の風土にあった適切な目標設定が必要です。

そして、これまでのタグと推移を見ながら、各項目に削減目標額を割り当てていきます。

取り組み方の検討

タグをつけるときに、関与部門を決めました。
個別に部門が決まっている項目は良いですが、全部門が関連するような費目の場合は、全社的な取り組みが必要です。

また、何かの費用を削減するためには、一時的に投資が必要になる場合もあります。

そのような判断を行うためには、事務局となる部署が必要です。

経理部門や原価管理部門などが事務局になって、全社的な旗振りを行いましょう。

先ほど、「投資が必要」と書きましたが、これは必ずしもモノを購入する投資とは限りません。
サービスの購入かもしれませんし、従業員に配る特別ボーナスかもしれません。

こういった取り組みを高いモチベーションで継続的に行うには、何等かの仕組みが必要です。

仕組みの事例 社内ロイヤリティ制度

これは、海外拠点での事例です。

日系企業、特に製造業では、社内表彰制度というものがあります。
何かを改善提案して、それが認められれば表彰されるというものです。
ただ、多くの企業では賞金が小さく、実際のインセンティブの効果はほとんど無く、みんな上司に言われて仕方なくやっていることが多いのも事実です。

そこで、X社では、改善提案を以下の二つに分け、それぞれに賞金を渡すように変えました。

1.アイデアを提案した人
2.アイデアを実行して経営的効果を出した人


この制度がないときには、多くの金額を扱う製造部門しか、改善取組には参加していませんでした。

この制度の導入以降は、こうなりました。

製造部門以外の人、例えば、総務のAさんと経理のBさんが、製造部門のコスト削減提案を行います。
委員会に求められた良いアイデアであれば、AさんとBさんのアイデアは、社内のアイデア・データバンクに登録されて社内に公表され、AさんとBさんは、少しの賞金をもらえます。

その後、製造部門のCさんは、そのアイデア・データバンクを見て、Aさんのアイデアが良いと思ったので、実行に移しました。
その際の経営的効果(実際のコスト削減額)の3%をCさんは手にし、Aさんもロイヤリティとして1%を手にしました。

この制度によって、製造部門以外の人からも多くのアイデアが寄せられるようになり、みんなで競いあうイベントになりました。

進め方の検討

コスト削減を進めるにあたっては、がむしゃらにやるのではなく、効率的に進めたいものです。
せっかく削減できたコストが、それを実現するために有した時間コストに満たないのであれば、取り組んだ意味がありません。
そのために、業務効率改善に使われるECRSというフレームワークを活用します。

ECRS(改善の4原則) は以下の4つの頭文字になっています。
効率よく効果がだせる順番にならんでいます。

1. Eliminate(排除)

2. Combine(結合と分離)

3. Rearrange(入替えと代替)

4. Simplify(簡素化)

Eliminate(排除)

やらなくてもいい仕事を辞めることを指しています。
「買わなくてもいいものを買わない」というのもこれに相当します。
これは分かりやすいです。

例)会議をやめることで資料の印刷費用や光熱費削減
例)残業をやめることで夜間の光熱費を削減
例)効果の低い出張をやめることで旅費を削減
例)効果の低い宣伝をやめることで広告費削減
例)誰も読んでいない定期購読雑誌の中止
例)過剰な品質検査の削減で外注費を削減
例)拠点の閉鎖

Combine(結合と分離)

複数の仕事を同時に処理することを指しています。
「複数部門でそれぞれ購入しているものを集中購買にする」というのがこれに相当します。
逆に、分離する方が良い場合もあります。

例)人事部と総務部を合体させて部長の人件費を削減
例)毎日送金していたものを、まとめて送金することで銀行手数料の削減
例)長い生産ラインを2つに分割し、前半部分終了時点で不良品を除外することで、不良品に付加していた後半部分の追加材料費を削減
例)集中管理していたエアコンを各部屋ごとの温度調節に分離し、過剰な冷暖房を抑制
例)拠点の統合

Rearrange(入替えと代替)

業務の順序や手段などを入れ替えることを指しています。
マニュアル作業をIT化するなどもこれに相当します。

例)手入力していた勤怠記録をIT化することで、時間コスト・紙・印刷コストを削減
例)使っている業者の変更(警備会社、清掃会社の変更など)
例)使いこなせていたかったERPを捨て、PCベースに変えることで、ERP維持費の削減
例)電話の利用を減らし、代わりにLineやSkypeなどを利用

Simplify(簡素化)

文字通り、簡素化することを指しています。

例)出張旅費精算で記入していた申請書の項目の見直しを行い、時間コストと印刷コストを削減

コスト削減取り組みを開始する前に、このフレームワークについて社内で勉強会をするのが良いと思います。
難しい内容ではないので、すぐに身につくでしょう。

成果の確認 PDCA

できれば、毎月、少なくとも四半期ごとには、成果を確認しましょう。
そして、組織ごとの成果を公表しましょう。
それによって、他部門が取組内容を参考にすることもできますし、競争意識も高まります。
個人やチームで特に成果の大きい人は表彰しましょう。

コスト削減した結果は、会社だけでなく、
取り組んだ従業員にも還元
されるべきです。

実は、一番大事なのはこれです。
これができていれば、取組は継続しますが、そうでないなら、いつかみんなしらけてやらなくなります。
もちろん、業務命令であれば、やったふりはするかもしれませんが、前向きに実践する人はいなくなります。

こういう仕組みを作るのは人事部の仕事です。
でも、コスト削減となると経理部だけの仕事になることが多いですね。

本気でコスト削減をするのであれば、経理部と人事部が一緒に制度設計をすることをおススメします。

私は、幸い、経理部と人事部の責任者を兼任していましたので、コスト削減を仕組みに落とし込み、継続的に取り組むことができました。

何か質問などがある方は問い合わせフォームやTwitterのDMでご連絡ください。

↓ぽちっとよろしくお願いします。

にほんブログ村 海外生活ブログ 上海情報へ
にほんブログ村


上海ランキング

コメント

タイトルとURLをコピーしました