Windows95が世に出た1995年。
インターネット元年と言われています。
ボストンに留学していた僕が、初めてヨーロッパを旅したのはそんな年でした。
今でも旅が好きですが、当時の旅とのスタイルとは全く違っていて、旅の楽しみ方や旅で得るものが違ってきているように思います。
そこで、当時と今の旅を比較してみました。
若い人にとっては、インターネットがないというのはありえない状況かもしれませんが、そんな時代もあったんです。
今回でヨーロッパ編の最終回になります。
最終地点 ロンドン
パリのユースで知り合った女性が同じ日にロンドンに移動する予定とのことで、二人でロンドンに向かいます。
ロンドン到着後、その女性は親戚の家に泊まるということで、別行動。
ただ、翌日、一緒に食事をする約束をしました。
異国での待ち合わせ
現代の旅
スマホで連絡し、場所を共有して落ち合います。
なんなら、そもそも合わずに、Zoomで済ませるのかも。
当時の旅
スマホもないし、そもそも携帯電話すらありません。
しかも、その女性は初ロンドンなので土地勘もない。
そうなると、超有名待ち合わせ定番スポットで会うことになります。
当時のロンドンの場合は、ピカデリーサーカスの噴水です。
ある時間に、この噴水の周辺で会うことを決めて分かれます。
待ち合わせ時間に遅刻することもありますが、「ちょっと遅れるね」みたいな連絡もできないので、待つ側は、ひたすら来ることを信じて待つだけです。
やっぱり会いたくなくて来ないのかもしれない。
単に寝坊したのかもしれない。
もしかしたら来る途中に事故にあったのかもしれない。
いろんな想像を掻き立てられます。
ちょっとした曲の歌詞になりそうな心境です。
この待ち合わせ時の心は物理的なすれ違いなどは、昭和~平成にかけてトレンディドラマでよく使われる演出です。
誰もが経験したことのある、あるあるな情景です。
今は、スマホを使って割とすぐに答えが出ますから、ドラマになりませんね。
食後に、近くのカフェに入ると、隣の席に日本人旅行者が座っていました。折角なので、三人で会話。
彼は、日本から直接やってきたレストラン経営会社の御曹司。
美味しいものを食べ歩く旅行をするようにと親に言われてロンドンにやってきたそうです。
羨ましい。
彼から、驚きの情報を得ることになります。
日本に起きている事件の入手方法
現代の旅
ネットであっという間に知ることができます。
当時の旅
ネットもないし、電話も国際電話代が高いので、頻繁にできません。
となると、日本からやってきた人から直接教えてもらいしかありません。
この時もその彼から日本の大ニュースを知ることになります。
なんと、「おはよう朝日です」に出演し、早朝から歌って踊っていたスーパーモンキーズの安室奈美恵が、日本で小室プロデュースでソロデビューし、めちゃくちゃ流行っている!とのこと。
彼は、安室奈美恵にぞっこんらしく、熱く安室情報を伝えてくれます。
「あのサルみたいな顔の女性が売れてるの?」
思わず僕の口をついて出てきた言葉に、思いっきり反論され続けます。
いやあ、まさかあんな大スターになるとは。
当時は、農作物を食い尽くすバッタの様に大量発生したアムラーやシノラーで、渋谷の街が埋め尽くされたと伝え聞きました。(真相は知りません。)
終わりに
余談だらけの長文になってしまいました。
これでも、かなりのエピソードを端折ったつもりです。
旅に出ると、いろんなことに遭遇するということですね。
現代の旅と25年前の旅を比較だけしようと思ってましたが、コロナでどこにも行けないせいで、旅の思い出を思い出しながら、旅行記のようなものを書いてしまいました。
純粋に旅の比較だけをしたかった人には申し訳ありませんでした。
現代の旅は、あらかじめ立てた目的を効率よく実現できます。
三ツ星レストランで美味しいものを食べる。
リゾートホテルでゆっくりする。
ブランドの本店で買い物をする。 など
旅の目的を達成できるのは良いことです。
ただ、効率が良いせいで予期せぬ事件に遭遇しづらく、事前に想定した範囲のものしか得ることができません。
当時の旅は、アナログで非効率なものでしたが、自分の先入観や価値観をぶち壊すようなものやまったく知らなかった事実に偶然遭遇することができました。
アナログな旅は、現地での変化が大きいので、僕のような年齢になってしまった人間には、ちとつらいところもありますが、若い人であれば、さまざまな変化に対応しやすいですし、その分、得るものも多いと思います。
若い人の旅であれば、あえてスマホを自宅において変化に対応しながらの旅をしてみるのも、おススメですので、ぜひ挑戦してみてください。
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