Windows95が世に出た1995年。
インターネット元年と言われています。
ボストンに留学していた僕が、初めてヨーロッパを旅したのはそんな年でした。
今でも旅が好きですが、当時の旅とのスタイルとは全く違っていて、旅の楽しみ方や旅で得るものが違ってきているように思います。
そこで、当時と今の旅を比較してみました。
若い人にとっては、インターネットがないというのはありえない状況かもしれませんが、そんな時代もあったんです。
ドイツの街からスタートです。
カールスルーエで起きたドラマ
カールスルーエでは、乗り換えの列車が来るまで10時間ほどありました。
トーマスクックの時刻表でこの駅を見たとき、僕は、あることを思い出し、この町で実施することにしていました。
ボストン留学先のクラスメイトにInnaという美人がいました。
彼女は、ドイツとウクライナのハーフ。年齢は一つ年上。
みんなのマドンナです。
(今どきは、男子の人気を集める女性のことをなんと表現するんだろう?)
僕は、かなり仲良しでした。
僕がトーマスクックの時刻表でこの駅を見たときに思い出したのは、旅行に出るかなり前にしたなんでもない会話。

夏休みは何するの?

実家でゆっくりするつもり
同時に、彼女の実家がカールスルーエだったことも思い出しました。
ってことは、彼女がこの町にいるのかも。
でも、彼女の実家の連絡先を知りません。
今と違って、LINEもWhatsAppもありません。
知っているのはボストンの住所とフルネームだけ。
すると、カールスルーエの駅の中を歩いているときに公衆電話を発見しました。
ポケットには、硬貨が少し入っています。
公衆電話についていた電話帳を取り出し、彼女の名字を探します。
同じ名字は13世帯。
上から順番にかけてみました。
ドイツ語はさすがに話せないので、「May I speak to Inna?」というクローズドクエスチョンをすることに。
そうすれば、Yes/Noで答えを返してくれるはずです。
とはいえ、ドイツ語のYes/Noは知りませんでしたが、英語と似ているはずだろうと思い、気にせず電話をします。
1軒目。

My name is Laohu. May I speak to Inna?

ナイン
Nの音とリアクション的に、これは「No」だと判断しました。

Sorry. I called wrong number.
5軒目ぐらいの「ナイン」で気持ちは萎えてきました。
でも、他にすることもないので、電話をかけ続けます。
そして、最後の13軒目。

ヤー

え!ナインじゃない?Yeahっぽい音だ。しかも、保留になった!

Hello?
怪訝な声のInnaが電話先に登場しました。ドイツだけに、どこのドイツだ?って感じでしょう。
そこで、ここまでの経緯を話すと

今から駅まで会いに行くから待っていて!2時間ぐらいかかるけど大丈夫?
おおーっ
2時間後、彼女と会えました。
ながーいハグ。
しかし、カッコ悪いことになっていました。
彼女との電話を切ったあとに、ドイツマルクを引き出すために銀行のATMに向かったのですが、この日は日曜日。
既述のベルリンでも同じことに遭遇しましたが、当時のドイツでは、日曜日は、銀行はお休みでATMも使えません。
旅行をしていると曜日感覚が薄れます。
ああ、電話代の残りの小銭しかない。。。
結局、彼女に事情を話し、街を案内してもらいながら、この日のランチも夕食も、市内交通費もすべて彼女に出してもらいました。。。
自分で突然やってきて、突然呼び出しといて、お金がないってめっちゃカッコ悪いです。
でも、借りができたおかげで、夏休み明けにボストンに帰ったら、お返しに和食をごちそうする約束を取り付けることができました。
Vol.6 では、さらなるドラマが待ち受けています。
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