Windows95が世に出た1995年。
インターネット元年と言われています。
ボストンに留学していた僕が、初めてヨーロッパを旅したのはそんな年でした。
今でも旅が好きですが、当時の旅とのスタイルとは全く違っていて、旅の楽しみ方や旅で得るものが違ってきているように思います。
そこで、当時と今の旅を比較してみました。
若い人にとっては、インターネットがないというのはありえない状況かもしれませんが、そんな時代もあったんです。
ベルリンを出発するところから、話はスタートです。
移動手段の手配
現代の旅
日本で行き先を決めていくので、移動手段もネットで予約していきます。
当日移動する場合でも、Googleマップの経路案内が役立ちます。
当時の旅
駅で手配します。
今回は、ICE(ドイツの新幹線)を使ってミュンヘンに行くことにしました。
初めてユーレイルパスを使います。
移動する当日に駅に行って、駅員さんのいる窓口へ行きます。

ユーレイルパスを使ってミュンヘンに行きたい。ICEに乗りたい。
駅員さんも慣れているのか、スムーズです。
最後に、僕に何かを言ってウインクをしてくれましたが、英語のドイツ語訛りがひどくて、よく聞き取れていませんでした。
チケットをもって座席に行くと、その意味がわかりました。
なんと一等車です。
僕のパスは、基本的には二等車にしか乗れないパスです。
だけど、空いていたからなのか、一等車にしてくれたようです。
これは嬉しいです。
ヨーロッパを旅していてつくづく感じたことは、大人たちみんなが若者の旅を応援してくれているということ。
実は、このあとフランスのTGVでも一等車に乗ることになるのですが、駅の人もホテルの人もみんな親切です。
「アジア人は差別される」と聞いて、少し構えているところはありましたが、当時はまったくそんなことは感じず、英語も、フランスを含む、ほとんどの場所で通じました。
ちなみに、ミュンヘンでは1泊500円程度のテントに宿泊しました。
大きなテントが張って合って、1畳ほどの区画が与えられ、そこに持参している寝袋で寝ます。
外には、共同のシャワーとトイレ。
その後、オーストリアのウィーンに移動します。
貧乏旅行だった僕は、コカ・コーラが200円もするウィーンの物価の高さに驚愕し、1泊だけにしてウィーンを旅立ちます。
そんなことすら知らずにオーストリア入りしてました。
次の目的地はパリにしました。
ウィーンからドイツのフランクフルトまで夜行列車で移動します。
そして、フランクフルトからカールスルーエという町に行き、そこで乗り換えてパリに向かう行程です。
列車の乗り継ぎ
現代の旅
ネットで調べます。あっというまに路線が出てきます。
当時の旅
トーマスクックの時刻表で調べます。
こんな複雑な経路を調べるときは、複数のページをまたがって調べます。
該当ページを織り込むので、時刻表はすぐにしわくちゃボロボロになります。
ネットで調べると必要な路線しか登場しませんが、時刻表で調べると、関係のない路線も目に飛びこんできます。すると、そっちの路線を追いかけてしまうのですが、「こうやって、この都市に行くことができるんだ」みたいな新しい発見があります。
寄り道ができるんです。
そして、その路線を頭に描いて妄想旅行の始まりです。
言ったこともない土地の様子を、得意の地理地学の情報を総動員して想像します。
「この辺の車窓からは一面のひまわり畑が見えるはずだ。」
「この辺には放牧された牛や羊がいるに違いない。とれたての牛乳を飲んでみたいなあ。」
「そういえば、まだウィーンからパリの行き方を調べてないや」
楽しい時間です。
Vol.5ではちょっとしたドラマが続きます。
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